Hill House 1903
ヒル・ハウス
Helensuburgn,Great Britain
Charles Rennie Mackintosn (1868-1928)
スコットランド最大の都市、グラスゴー郊外のクライド湾を見渡す丘の上に建つ住宅。グラスゴー美術大学などを手掛けたC.R.マッキントッシュによる、20世紀初頭のモダニズム黎明期における代表的な作品のひとつ。
ヒル・ハウスは、灰色の荒い塗壁、軒が浅く急勾配のスレート屋根、突出した半円の階段室、装飾のない単純な開口部といった、マッキントッシュに共通する特徴を備えており、その中で最も完成度の高い住宅とされる。備え付けの家具や調度品、照明器具に至るまで、徹底したトータルデザインが為されており、19世紀の伝統的な様式に代わる新しいスタイルが打ち出されている。
現在ではこの建築本体より、その寝室に置くためにつくられた「ラダーバックチェアー(別名 ヒル・ハウス)」の方があまりにも有名で、マッキントッシュの名も一般にはその作者として広く知られている。しかし、その後のゼツェッション、あるいは表現主義へと続く背景として、ヒル・ハウスは建築史上の重要な役割を果たした。
[Photo from Wikimedia Commons]