Robie House 1909
ロビー邸
Chicago,Illinois,USA
Frank Lloyd Wight (1867-1959)


20世紀を代表するアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトの初期の作品。高さを抑えた寄棟の屋根や煉瓦目地、石灰岩の基壇によって水平線を強調した「プレーリー・スタイル(草原様式)」の代表的な住宅であるが、当時としてはその革新性ゆえに賞賛と非難を同時に受けた。

プレーリー・スタイルの特徴は、その外観だけでなく、各室を緩やかにつないで箱としての部屋を消し去ることを目指し、家具、暖房設備、照明器具など全ての要素が全体を構成する「有機的建築」を形成していることにある。

自転車製造業を営んでいた建築主のフレデリック・C・ロビーは、負債や離婚が原因で竣工後わずか2年でこの家を手放すことになるが、生涯に400件近い作品を残した設計者自身が最も気に入っていた住宅の一つであると言われるロビー邸は、現在もライト財団により保存が図られている。

[Photo from Wikimedia Commons]