Unite d'Habitation 1952
ユニテ・ダビタシオン・マルセイユ
Marseille,France
Le Corbusier(1887-1965)
「住居単位」という意味の集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」は、各地に十数ヶ所が計画され、1950~60年代にかけてその内5ヶ所が実現した。中でも最初につくられたこのマルセイユのユニテは最も知られており、第二次大戦後のコルビュジエの代表作のひとつとなっている。
国家によるモデル事業として計画されたこのプロジェクトは、18階建、全長137m、幅24.5mの巨大なコンクリートの高層アパートで、想定居住者数1600人、337戸のために単身者用から大家族用まで23タイプの多様なプランが設けられた。内部は3層毎に中間に共用中廊下を挟んだメゾネット形式が採用され、全ての住戸への東西両面からの通風と採光の確保が図られている。また、7・8階には、マーケットや喫茶店、レストランなどの共用施設がつくられ、屋上には幼稚園、体育室、幼児用プール、庭園の他、300m程のジョギングコースなども用意されている。
それらの施設により、ここでは集合住宅が単なる住居の寄せ集めではなく、全体でひとつのコミュニティーを形づくる立体的な都市を構成している。竣工から半世紀以上を経た現在でも、幼稚園やマーケットは営業を続けており、また、ユニテで育った世代が独立後も新たな部屋を借りて住み続けるなど、コルビュジエの思想は今も受け継がれている。
[Photo from Wikimedia Commons]