Trans World Airlines Terminal 1962
TWA空港ターミナル
New York,New York,USA
Eero Saarinen (1910-1961)


ニューヨークのJ・F・ケネディ国際空港内に建つ、TWA専用のターミナル施設。フィンランド出身の建築家エーロ・サーリネンによる、20世紀半ばのアメリカを代表する建築のひとつ。

Y字型の柱脚が支えるモニュメンタルな4枚のコンクート・シェルは、しばしば「翼を拡げた鳥の様」と形容される存在感を示し、サーリネンの彫刻家としての素養がうかがえる。シェルの隙間は内部ではトップライトとなり、ダイナミックな曲線を描く階段やブリッジと共に劇的な空間を創り出している。

エーロ・サーリネンは、建築家でクランブルック美術アカデミーの校長を務めたエリエル・サーリネンの子として生まれ、パリのグラン・シャミエールで彫刻を学んだ後イェール大学の建築学科を経て、1937年に父親の元で建築家としての道を歩み出した。1948年には、ジェファーソン・ナショナル・エクスパンション・メモリアルの記念碑コンペで優勝して注目を集め(ゲートウェイ・アーチ)、1950年に独立してから51歳で他界するまでのわずか11年の間に数多くの作品を遺した。

パンアメリカン航空と並び世界の空に君臨したTWAは、やがて慢性的な経営不振に陥り20世紀と共にその幕を閉じたが、資本主義大国アメリカが一番輝いていた時代の「近未来」は、格安航空会社ジェットブルー航空のターミナルとして今も当時の姿を残している。

[Photo from Flickr (by Hal Dick)]